2013年6月から開始したオープンリサーチプログラムは、「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」の開催まで1年を切った2014年4月以降も、制作の準備と調査のために京都を訪れる参加作家のレクチャーを中心に活発に実施していきます。京都芸術センターと共催する今回のスーザン・フィリップスによるレクチャーは、参加作家第一弾の発表後最初のプログラムとなります。
イギリス人で、現在はベルリンを拠点に活動するスーザン・フィリップスの作品は、音（しばしば自分自身の歌声）を素材に、設置場所の歴史や人々の記憶をも重要な要素として組み込むもので、それは鑑賞（体験）者の記憶とその場の歴史が絡み合うことで創り出される空間作品と言えます。いわゆる「サウンドインスタレーション」には止まらない彼女の作品は2000年前後から大きな注目を集めてきました。そして2010年にはイギリス在住の美術家にとって最も重要な現代美術の賞とされるターナー賞を受賞、2014年にはイギリスの美術への貢献を讃えられ大英帝国勲章（OBE）を受章した彼女は、イギリス現代美術を代表する作家の一人となっています。今回のレクチャーでは、彼女自身が纏めた書籍とウェブサイトと合わせた「You Are Not Alone」という標題で自作について語ります。

【日時】

2014年4月20日（日）19:00–20:30

【入場料】

無料（申込不要）

【言語】

英語（日本語逐次通訳あり）

【会場】

京都芸術センター 西館1階 フリースペース
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
京都市営地下鉄烏丸線「四条」駅・阪急電鉄京都本線「烏丸」駅22・24番出口から徒歩5分
www.kac.or.jp

【開場時間】

18:30

【主催】

京都国際現代芸術祭組織委員会、一般社団法人京都経済同友会、京都府、京都市

【共催】

京都芸術センター

【定員】

80名

通算8回目となるオープンリサーチプログラムは、PARASOPHIAの参加作家であるスーザン・フィリップスを迎え、京都芸術センターとの共催で開催いたしました。
スーザン・フィリップスは、自身の歌声や音を素材に、その場所の歴史や人々の記憶と鑑賞（体験）者の記憶が絡み合うことで創り出される空間作品をつくりだす作家です。今回のレクチャーでは、2000年のマニフェスタ3で彼女の作品と印象的な出会いをした本芸術祭アーティスティックディレクターの河本信治のエピソードから始まり、大学では彫刻を専攻していた彼女が音を素材に作品化するようになった経緯や、ベルリンのハンブルガー・バーンホフ現代美術館で開催中であった展覧会の内容など、自身の作品とその背景について、最近公開されたというウェブサイトwww.susanphilipszyouarenotalone.comに掲載された映像を使いながら解説していただきました。
土地の持つ歴史や意味、場の力を読み取り音として作品化する彼女は、今回のリサーチでは自転車で京都市内を縦横に巡り、新しい作品へのインスピレーションを得たそうです。「ミュンスター彫刻プロジェクトであなたの作品を体験してみて、《言霊》という単語が頭に浮かんだ」という会場からの感想に、「その《言霊》という言葉と意味に非常に興味を持ったので、早速調べてみます」と彼女が応える一幕も。来年の本展に向けての期待がそれぞれの中で育まれ新しい作品の布石となるような、密度のあるレクチャーだったように思います。作家研究の一部を公開するオープンリサーチプログラムだからこそ生まれる対話と交流の状況かもしれません。
今回のオープンリサーチプログラムの参加者数は92名。当日の運営は大阪大学と京都工芸繊維大学の2名の学生、写真記録は京都造形芸術大学の1名の学生にご協力いただきました。今回のレクチャーの記録は当サイトにて公開する予定です。

（写真：米田有希）

オープンリサーチプログラム08［レクチャー］スーザン・フィリップス「You Are Not Alone」
日時：2014年4月20日（日）19:00–20:30
会場：京都芸術センター 西館1階 フリースペース
主催：京都国際現代芸術祭組織委員会、一般社団法人京都経済同友会、京都府、京都市
共催：京都芸術センター

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