9回目のオープンリサーチプログラムは「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」参加作家のピピロッティ・リストをお招きし、ご自身の作品についてのレクチャーを京都国立近代美術館と共催で実施しました。またレクチャー開催前には今回の会場となった京都国立近代美術館4階コレクション・ギャラリーで、リストの作品2点を含む所蔵作品による特別展示「現代美術：私的防災計画」のギャラリートークが、美術館研究員によって行われました（「アクセスプログラム［ギャラリートーク］私的防災計画：ピピロッティ・リストの作品を中心に」参照）。
レクチャーは2台のプロジェクターを駆使して行われ、リストのこれまでの作品が基本的な制作理念と共に紹介されていきました。ただ話すだけで終わらないレクチャーを行うことで知られるリストですが、今回も、「全てが一巡する」ということを身体で表現し伝えるために、逐次通訳中に客席のなかを駆け抜けて一周する一幕や、観客が二人一組になって行う簡単なワークショップのような要素も盛り込まれており、満員の会場は終始、和気あいあいとした空気に包まれていました。また、今回の京都滞在はPARASOPHIAで発表する新作のための調査が主な目的だったこともあり、来年の京都での作品構想について触れるような発言もありました。レクチャーの最後には1999年に京都国立近代美術館で展示された《Ever is Over All》 （1997）の映像を流し、日本と京都への想いについて語ってくださいました。終了後もたくさんの参加者がリストを囲み、彼女の華やかな作品やチャーミングな人柄が多くの方々に愛されていることが窺えました。
今回のオープンリサーチプログラムの運営には大阪大学、同志社大学、京都工芸繊維大学の3名の学生、写真記録は京都造形芸術大学の1名の学生にご協力いただきました。今回のレクチャーの記録は当サイトにて公開する予定です。

（写真：柳瀬安里）

オープンリサーチプログラム09［レクチャー］ピピロッティ・リスト
日時：2014年4月29日（火・祝）19:00–20:30
会場：京都国立近代美術館 1階 ロビー
主催：京都国際現代芸術祭組織委員会、一般社団法人京都経済同友会、京都府、京都市
協力：京都国立近代美術館

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オープンリサーチプログラムとは
アーティスティックディレクターとキュレトリアルチームが、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015に向けて行う調査研究のプロセスを広く一般に公開し共有するためのプログラムです。

同日開催
アクセスプログラム［ギャラリートーク］私的防災計画：ピピロッティ・リストの作品を中心に
2014年4月29日（火・祝）14:00–15:00、16:00–17:00